- 自分のキッチンのリフォームで使える補助金はある?
- キッチンのリフォーム費用は補助金でどれだけまかなえる?
- 補助金の申請方法は?
補助金制度をよく理解せずにリフォームに着手すると、対象の補助金をもらえない恐れがあります。補助金の申請ができなかったために「予算内に収まらず一部の設備を諦めた」といった事例も多いです。補助金を最大限活用することで、理想のキッチンを実現する際の、資金負担を軽くできます。
キッチンのリフォームで活用できる補助金は以下のとおりです。
- 子育てエコホーム支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 介護保険制度による住宅改修費用の補助
- 自治体別のキッチンリフォームの補助金制度
この記事では、キッチンリフォームに関する補助金制度における、補助金額や申請方法を解説します。記事を読めば補助金の煩雑な申請方法がわかり、リフォーム費用を賢く節約することが可能です。補助金を活用して、お得に理想のキッチンにリフォームしましょう。
リフォームの補助金の基礎知識

リフォームの補助金に関する基礎知識を解説します。
- 補助金の目的
- 補助金を受けるための基本条件
補助金の目的
補助金の目的は、社会全体の福祉や経済発展の促進です。対象は個人から企業、地域経済までと広範囲です。補助金は経済負担を軽減し、生活の質向上や消費の活性化にもつながります。環境対策の推進により、エネルギー効率の改善や地球環境の長期的な保全にも寄与しています。
補助金が利用されれば地域経済が活性化し、雇用創出や経済循環を促進させることが可能です。より活力ある地域社会の構築に効果的です。災害リスクの軽減を目的とする補助金は、自然災害からの保護を強化し、人々の安全確保に大きな効果を発揮します。
生活に支援が必要な高齢者や障がい者に対しては、住環境の安全性向上のために補助金が活用されます。住宅の資産価値の向上も補助金の目的です。住宅の所有者の設備投資を促進し、住宅の機能性や快適性を向上させることで、資産価値が高まります。
住宅に関する補助金は、個人の資産形成だけでなく、社会全体の住宅ストックの質的向上にも貢献しています。
補助金を受けるための基本条件
補助金を受けるためには、補助金の対象となる個人または法人であることが必要です。住宅リフォーム関連の場合、まずは補助金の対象の工事かどうかをチェックします。補助金申請の資格があれば、公募期間内に申請しましょう。多くの補助金は、数週間~数か月の限られた申請期間が設けられています。
補助金適用のためには申請だけではなく、必要な書類や証明の提出、期限内の工事の着工や完了が必要です。補助金の支給基準を満たすことや、工事実施に関する必要な許認可の取得も求められます。補助金が適用されるリフォームであることを、証明できるように準備しましょう。
補助金の予算枠には限りがあります。予算がなくなると、年度途中でも受付が終了する場合があるため、早めの申請が必要です。
国が提供するキッチンリフォームの補助金制度

国が提供しているキッチンリフォームの補助金制度を紹介します。
- 子育てエコホーム支援事業
- 長期優良住宅化リフォーム推進事業
- 介護保険制度による住宅改修費用の補助
子育てエコホーム支援事業
子育てエコホーム支援事業は、子育て世帯などに向けて、高い省エネ性能の新築住宅の購入を支援する補助金です。省エネの住宅に改修する際にも活用できます。
対象者はリフォームする住宅の所有者です。エコホーム支援事業者と工事請負契約などを締結し、リフォーム工事を行う必要があります。対象となるキッチンリフォームは以下のとおりです。
- ビルトイン食器洗浄機
- 掃除しやすいレンジフード
- ビルトイン自動調理対応コンロ
- キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事
- 高効率給湯器
- 節湯水栓
工事請負契約日の定めはありません。2023年11月2日~交付申請の間に着工することが求められます。遅くとも2024年12月31日までの着工が必要です。交付申請期間は2024年4月2日~2024年12月31日です。予算が上限に達すると期間内でも申請を締め切る場合があります。
住宅の購入は子育て世帯や若者夫婦世帯が対象です。しかしリフォーム時は、子育て世帯や若者夫婦世帯である必要はありません。キッチンリフォームは、高効率給湯器設置などの国土交通省が指定する改修工事と同時に行うことが求められます。
補助金額

キッチンリフォームの項目と補助金額は以下のとおりです。
- ビルトイン食器洗浄機:21,000円/戸
- 掃除しやすいレンジフード:13,000円/戸
- ビルトイン自動調理対応コンロ:14,000円/戸
- 高効率給湯器:30,000円/戸
- 節湯水栓:5,000円/台
- キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事:90,000円/戸
同一の住宅で複数回のリフォーム工事を行う場合、補助上限額の範囲内で申請が可能です。ただし、申請ごとにすべての補助要件を満たす必要があります。補助上限は一戸当たり20万円ですが、条件によっては補助上限が引き上げられる場合もあります。
申請方法
子育てエコホーム支援事業の申請は、工事発注者からは申請できません。申請手続きは予め「エコホーム支援事業者」に登録されている工事施工業者が行います。子育てエコホーム支援事業の補助を受けたい場合は、エコホーム支援事業者登録済の業者にリフォームを依頼しましょう。
子育てエコホーム支援事業を申請する際は、以下の窓口に連絡してください。
- 問い合わせ窓口:子育てエコホーム支援事業事務局
- 電話番号:0270-0550-224(ナビダイヤル)・03-6625-2874
- 受付時間:9:00~17:00(土日祝含む)
長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、良質な住宅ストックの形成や生活環境の整備、既存住宅の質の向上を目的としています。大規模リフォームやキッチン以外のリフォームも検討している人向けの補助金です。対象となるのは、一定の住戸面積が確保されており、住宅性能基準に適合させるための工事を行う場合です。
長期優良住宅(増改築)認定を取得するには、工事前に現状調査を実施し、リフォームを行う必要があります。対象となるキッチンリフォームは以下のとおりです。
- システムキッチンへの交換
- キッチンセットの交換を伴う対面化改修工事
- キッチンの増設
- キッチンの作業スペースを増設
- ビルトイン食器洗浄機
- 掃除しやすいレンジフード
- ビルトイン自動調理対応コンロ
- 高効率給湯器
- 節湯水栓
補助実施期間は、2024年4月15日~工事完了引き渡し日(最終期限は2025年2月21日)です。交付申請は2024年5月13日~2024年12月23日の期間に行う必要があります。
補助金額
長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助上限は、一戸につき160万円です。三世代同居対応改修工事や若者・子育て世帯が改修工事を実施する場合などは、50万円を上限に加算されます。ただし、一回の申請で補助金額が10万円以下の場合は対象外です。
申請方法

長期優良住宅化リフォーム推進事業の補助金は、事業者登録済の工事施工業者が行います。子育てエコホーム支援事業と同様に、工事発注者が自ら申請できません。「評価基準型」は予算が上限に達して受付を終了していますが「認定長期優良住宅型」は現在も申請受付中です。
長期優良住宅化リフォーム推進事業の問い合わせ窓口は以下のとおりです。
- 問い合わせ窓口:国立研究開発法人 建築研究所 長期優良住宅化リフォーム推進事業評価室
- 電話番号:03-5805-0522
- 受付時間:10:00~16:00(平日のみ、12:00~13:00除く)
介護保険制度による住宅改修費用の補助
介護保険制度による住宅改修費用の補助は、要介護・要支援認定を受けた高齢者のための補助制度です。高齢者が自宅で安全に暮らせるようにするリフォーム費用を一部補助します。キッチンでも一部のリフォームが補助対象です。補助制度の利用には要介護・要支援認定を受けている必要があります。
介護施設や病院などに入居・入院していないことも求められます。交付申請は通年可能です。対象となるキッチンリフォームは以下のとおりです。
- キッチンへの手すり取付
- キッチン内の段差解消
- キッチンの床材を滑りにくい材質へ変更
補助金額

介護保険制度による住宅改修費用は、20万円までのリフォーム費用に対して7~9割の金額が支給されます。支給割合は対象者の所得に応じて異なります。
申請方法
担当ケアマネージャーへの相談がおすすめです。これから要介護・要支援認定を受けたい場合は、地域包括支援センターや、お近くの居宅介護支援事業所に相談しましょう。
自治体別のキッチンリフォームの補助金制度

キッチンのリフォームは、自治体ごとに補助金の制度が異なります。各自治体の補助金制度を上手に活用することで、コストを抑えながら理想のキッチンに改修することが可能です。自治体別のキッチンリフォームの補助金制度について解説します。
自治体別の補助金の調べ方
自治体別の補助金を調べるには、以下の手段が有効です。
- 自治体の公式ウェブサイトをチェックする
- 自治体の住宅・建築関連の部署に問い合わせる
- 地域の住宅展示場やリフォーム相談会に参加する
- 地方新聞や広報誌で補助金情報を探す
- 地元のリフォーム業者に相談する
自治体の補助金の具体例
多くの自治体ではリフォーム費用の一定割合を補助する制度があります。補助金額には上限が定められていて、地元業者の利用を条件にしていることが多いです。補助金制度は年度ごとに変更される可能性があります。最新情報は各自治体のウェブサイトや窓口で確認しましょう。各自治体の補助金の例は以下のとおりです。
自治体 (補助金制度) | 補助金額 |
北海道札幌市 (環境配慮型住宅リフォーム補助金) | 最大20万円 |
宮城県仙台市 (エコ住宅リフォーム補助金) | 最大15万円 |
東京都世田谷区 (住宅リフォーム助成制度) | 工事費用の10%(上限20万円) |
神奈川県横浜市 (住まいのエコリノベーション補助制度) | 工事費用の1/3(上限30万円) |
愛知県名古屋市 (エコリフォーム助成制度) | 最大10万円 |
大阪府堺市 (住宅リフォーム助成事業) | 工事費用の10%(上限10万円) |
京都府京都市 (エコリフォーム補助金制度) | 補助額は工事費の1/4(上限20万円) |
兵庫県神戸市 (リフォーム助成金制度) | 最大10万円 |
広島県広島市 (住まいのリフォーム支援事業) | 最大20万円 |
福岡県福岡市 (住宅改修助成事業) | 工事費用の1/3(上限30万円) |
キッチンリフォームの補助金を申請する流れ

キッチンリフォームの補助金を申請する以下の流れについて解説します。
- 補助金を選定する
- リフォーム計画を立てる
- 必要書類を揃えて申請する
補助金を選定する
補助金を選ぶ際は、国や自治体のホームページで確認し、適用条件と金額を確認しましょう。次に各補助金の適用条件と補助金額を確認します。リフォーム計画と補助金の要件を確認し、申請資格の有無を確認することが重要です。
併用可能な補助金がある場合は、併用条件を確認してください。多くの補助金は工事着工前の申請が必要です。申請条件や期限の確認も忘れずに行いましょう。
リフォーム計画を立てる

リフォームの目的と予算を明確にし、重点的な改修箇所やデザイン、機能を決めましょう。予算を事前に設定することで、無駄な出費を抑えつつ効率的なリフォームが可能です。
リフォーム時は建築基準法などの法的要件や、自治体の制限を確認する必要があります。リフォーム範囲やスケジュールを決めたら、専門家や業者と相談しましょう。リフォームを行う際は、複数のリフォーム業者から見積りを取得し、内容をしっかりと比較してください。最適なプランを選択することが大切です。
必要書類を揃えて申請する
補助金を申請する際は、必要な書類をそろえることが重要です。書類に不備があると申請を受理してもらえずに、申請期限を過ぎてしまう可能性があります。余裕を持って書類を準備しましょう。補助金申請に必要な書類には、補助金申請書や身分証明書コピー、リフォームの見積り書などがあります。
工事前後の住宅平面図や工事業者の資格認定証のコピー、工事内容を示す書類、収入証明書類などが求められる場合もあります。リフォーム完了後の写真や、特定の条件に応じた書類も場合によっては必要です。必要書類は補助金の種類や自治体によって異なるため、事前に確認することが重要です。
キッチンリフォームの補助金に関するよくある質問

キッチンリフォームの補助金に関するよくある質問に対して、詳しく回答します。
補助金の併用はできる?
国と地方自治体の補助金は併用できる場合があります。ただし、補助対象が重複する制度の併用はできません。補助金の併用を検討する場合は、各補助金の規定の確認が必要です。併用が認められない場合でも、別の事業や時期に申請することで、複数の補助金を活用できる可能性があります。
リフォーム業者に補助金の相談はできる?

多くのリフォーム業者に対して、補助金の相談は可能です。業者によっては、補助金を活用したリフォームプランを提案してくれます。補助金の申請に必要な書類の準備や、手続きを支援してくれる場合もあります。
申請のサポートは受けられる?
補助金を申請する際は、さまざまなサービスからサポートを受けることが可能です。専門のコンサルタントからは、リフォーム計画の練り込みなどの、採択率を高めるためのサポートが受けられます。公共機関の相談窓口では、補助金についての具体的な情報や、手続きのアドバイスを受けることが可能です。
インターネットでは、補助金申請に役立つガイドやチェックリストを閲覧できます。補助金のセミナーや勉強会では、補助金制度や申請方法に関する情報を得ることが可能です。
まとめ

キッチンリフォーム時に利用できる補助金は、リフォームのコストを抑える大きな助けになります。国や自治体はさまざまな補助金制度を提供しており、条件を満たせば支援を受けることが可能です。国の補助金事業では、子育てエコホーム支援事業や長期優良住宅化リフォーム推進事業などがあります。
介護保険制度を利用した補助もあり、リフォーム計画に役立てられます。補助金の申請には、事前の計画立案や必要書類の準備が必要です。必要な情報を集めて準備することが大切です。適切に補助金を活用し、賢くキッチンをリフォームしましょう。